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2013年2月4日月曜日

460:【レポート】潜入っ!DPUB7の謎を追えっ!(ハードボイルド風)の巻 #Dpub7

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六本木。

関東近郊に留まらず、広く日本中にその名を轟かせる繁華街。

眠らない街、それが六本木。

お世辞にも平和な街とは言えないだろう。

メインストリートの両脇は、軒並み怪しげな飲み屋が占領している。一本脇道に逸れると、そこには快楽と犯罪の入り混じった一種独特のすえた臭いが鼻を突く。

街を歩く人々の中には外国人の割り合いも多く、そいつらを目当てに集まってきた、お世辞にも決して利発そうには見えない若い日本人の娘たちが、必要以上に媚びを売っている光景がやたら目に付く。

今回の捜査は、またまた俺にとっては場違いな場所になってしまったようだ。

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渋谷や新宿と違い、若者の街と呼ぶには相応しくない、どことなくもっとドロドロとした怪しい雰囲気が街全体から溢れ出ている。

行き交う車の車種も外車が多く、道端に並ぶ店舗も、貧乏人などまるで相手にする気もないという高級感と敷居の高さをワザとらしく演出している。

そんな己に似つかわしくない空気感が街全体を覆っているのだから、気が進まないと俺が思うのもボスは判っているはずなのに...。

背広を着用するのがいつもの捜査スタイルなのだが、今回はこの街の空気に似つかわしくないような気がした。ほぼ私服に近い装いでこの街を訪れたのも、街のあちこちからそこはかとなく醸し出される雰囲気と一体となる、要するに浮いて目立たないようにするため、というまっとうな理由からだった。

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今回は謎の集会への潜入捜査だ。巷では「DPUB」という名で知れ渡っているらしい。

捜査線上に浮かんできたのだから、これが何かの略称だということは容易に想像できた。

世間一般的には、
  • Developer(開発者)
  • Publisher(出版関係者)
  • User(利用者)
  • Blogger(ブロガー)
の頭文字を取って「DPUB」だという説が流布している。

最後の「Blogger(ブロガー)」だけ何を意味するのか、何をする職種・職業なのかがどうにも解らない。だがそれも後々合点の行く理由に辿り着くのだった。

この頭文字を取ったという説はある意味正しい。だが、それぞれの頭文字の意味するところは違う。先程のは所詮素人が考えつく単なる語呂合わせに過ぎない。

俺の所属する特殊部隊の上層部から降りてきた、情報部が調べた内容によれば、
  • Dynamite(ダイナマイト)
  • Pistol=Hand Gun(銃)
  • Ultimate deterrent(究極的抑止力=核兵器など)
  • Bazooka(バズーカ砲)
の頭文字を取ったというのが、どうも真実らしい。

これらまともな日本人が触れる事はまずない武器・銃器類を取り扱う商人「Broker(ブローカー)」が一同に会する、それがDPUBの真の姿だ。

先ほどの「Blogger」というのは、「Broker」の名残りが意図せず残ったものと推測できる。それが情報部の見解だった。

だが、なぜ最後の一文字だけが、多少形を変えただけで世間に出回っているのか?

それだけ奴らブローカー=武器取引商人たちの脇も甘くなっているという証拠に違いない。と、そんな自分に都合のいい考えが頭に浮かんだが、それもその瞬間だけに留めた。

決して油断してはならない。今回の捜査で相手にするのは、もともとまっとうではない連中なのだと思い直す事にした。

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謎の集会へのエントリーは、情報部の連中が手際良く済ませておいてくれたようだ。

密かに、だか堂々と、インターネット上で三回に分けて参加者を募ったらしい。各回の募集人員枠に対して応募が殺到したようだが、ウチの情報部のハッカーにとってはお手の物だったようだ。

あらかじめPaypalと呼ばれる特殊なコードを入手し、募集開始時刻になると同時にエントリーをあっという間に済ませたようだった。なかなか頼りになる連中だ。敵に回したくはないな。

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今回の集会場所に向かう前に、馴染みの喫茶店に立ち寄り、そこで今回の潜入捜査の手順をおさらいしようと思っていたのだが......。

なんてこった、俺の馴染みの店はものの見事になくなっていた。

459:来たぜDPUB7当日!待ってろ豚組!でもその前にやる事が......の巻 #Dpub7
詳細はこちらのレポートでも読んでくれたまえ。

浮き沈みの激しい業界の中、唯一生き残っていた、この街でも老舗の部類に入るお気に入りの店だっただけに、俺の落胆ぶりは酷かった。

それに幸先も悪い。

この後に待ち受けている数々の試練が相当手強いものになる、そんな嫌な予感が頭をよぎる。

だが、もうどうしようもない。すでにヤツらが続々とこの街に集まり始めている。後戻りなどできない。

頭の中によぎった悪い考えを半ば強引に振り払い、俺は現地へと向かう事にした。

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ここが今回の武器の取り引きが行われる場所だ。開催時間まではまだ一時間ほどある。

あまり店に近づくと、連中に感づかれる恐れがあるため、近くにある大学院の正門脇に腰を下ろし、遠巻きに建物の外観や様子を窺うことにした。

武器取引が行われるのは二階にあるレストラン。ビルの正面に二階へと繋がる階段がある。中の様子は遠くから見るだけでは解らない。

何人かの男たちが階下へと降りてきた。身の丈190cmはあるだろう大男が見える。あれが今回の首謀者、通称「タチ」だ。

DPUBの中心人物、CIAもマークしているという噂の最重要人物だ。拠点を転々と変え所在がなかなか掴めない「ノマドワーカー」の異名を持つヤツの姿を、事前に肉眼で目にする事が出来たのは幸いだった。ヤツの顔写真は予め情報部から渡されていたので、すぐに見分けがついた。

だが、今回の捜査の目的はヤツを押さえることではない。あくまでも現場に潜入し、あたかもブローカーであるが如く振る舞い、ヤツらの扱うモノの流れや取り引きの実態を上に報告する事が最大の目的なのだ。

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開催時間が迫っていた。俺は改めて自分の腰に手をやり、相棒のSIG SAUER P229Rの感触を確かめた。いざという時に頼りになるのはいつもコイツだけだ。

13発の.357SIG弾の装填を確認してある。後はセーフティーを外せばいつでも臨戦態勢に移行できるはずだ。今度も頼むぜ、相棒。

平和な日本、しかも東京のど真ん中=六本木で、真昼間からできればこんな物騒なものは使いたくない。だが、いざとなったら自分の命は自分で守るしかないのだ。因果な商売だが、それを天職にしているのだから仕方がない。

そんな自分の境遇にフッと苦笑いがこぼれそうになるが、そんな気の緩みが許されるはずもない。俺は改めて現場となるビルを睨みつけるように見返した。

開催時間の30分前。首謀者である「タチ」から参加する業者向けに暗号が放たれた。ヤツらが連絡を取り合うのはTwitter。首謀者が開場・受付開始の宣言をタイムライン上に流したのだ。

その途端に、店の周辺にまるで影のように身を潜めていた参加者らしき者たちが、獲物にありつくハイエナのようにわらわらと集まり始めた。

俺も自然にその流れの中に紛れ込むようにと、いそいそと店の前へと歩を進めた。

階段の手前で首から下げる名札ホルダーを渡された。予め頭の中にインプットしてある、この集会の幹部を務める人物たちが目に入る。

ホルダーを渡しているのは、通称「クラ」と呼ばれる巨漢の男。たしか最近まで九州地区を牛耳っていた大物だ。

そして、ルパン三世の登場人物のように帽子を被ってくわえ煙草の男が通称「サイタ」。鋭い眼光で参加する者たちに睨みを効かせている。

一瞬、身元が暴露たかのような錯覚に陥るほどだ。「何もかも見透かしているんだぞ」と言わんばかりの視線を背中に受けながら、緊張した面持ちで俺は一歩一歩階段を上がった。

階段を上がりきったところに受付がある。コードネームを告げると、4色に色分けされた謎のカードを渡される。Dynamite・Pistol・Ultimate deterrent・Bazookaのいずれの武器を求めてこの集会に来たのかが一目でわかるように目印を付けるようだ。

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ひとまず「BazookaのB」のカードを受け取り、名札ホルダーの中に入れた。

周囲を窺うと、受付付近にも幹部らしき者たちがいる事に気がつく。

広島を中心とした中国地方で仁義なき闘いを繰り広げたという噂の通称「アズ」。

扱う武器はマシンガンと言われている女性幹部の通称「ヤヨ」。

変装を特技とする通称「オツパ」。この中では若い部類に入る新進気鋭のブローカーだ。

埼玉と東京を行き来し商売に熱をあげている通称「カンプ」。人を食ったような笑いで場を和ませているが、目は笑っていない。

その時、店の中から突如黒ずくめの男が現れた。片手にコーラのペットボトルを携え、飄々とした足取りで現れたのは、関西のドンと言われている通称「ムンク」だ。

何という錚々たるメンバー。

捜査歴も長く、ベテランと言われる年齢に達している俺でさえ、尻込みする程の迫力を感じる。

そんな奴らの視線を掻い潜り、何とか網の目をすり抜けるように会場内部への潜入には成功した。

ちらほらと、武器を扱う業者どもが集まり始める。

だが、おかしい。

参加者のほとんどが軽装で参加している。銃器を入れたジェラルミンのケースや、札束を詰めたアタッシュケースのような類の荷物は何処にも見当たらない。

今日ここて取り引きが行われるんじゃなかったのか?

取り引きをしないのであれば、なぜここに大勢のブローカーが集まるんだ?

そんな戸惑いを隠せないうちに、開演時間を迎えてしまったようだ。

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主催者の掛け声と共に、会は始まった。だが、予想していたような取り引きや商談めいた雰囲気が微塵も感じられない。顔見知りの古株同士は談笑しているが、その他の者たちはあちらこちらで名刺を交換し始めている。

名刺交換という商習慣はどこの世界でも変わらないものなのか?例えそれが武器や銃器を扱う商売だとしても......。

いかにもビジネス然とした光景が目の前で繰り広げられるのを、ただボーッとみている訳にはいかない。俺は今回、捜査のためにこの場に命を懸けて潜入してきたのだから。

さっそく周囲に聞き耳を立てる。どのような会話が繰り広げられているのか探るためだ。

「ブローカーやってます、○○と申します」

という言葉がやたら耳に飛び込んでくる。堂々と己をブローカーだと名乗るあたり、やはり同業者同士の集まりには間違いないみたいだ。

中には「開発をしてます、××です。」と名乗る者もいる。業者といっても卸しだけでなく銃器メーカーの者も参加しているようだ。

年齢もバラバラ、男性のみならず女性も混じっている。中には猫の耳をつけている者、金髪のモヒカンなど、尋常じゃない連中も紛れ込んでいるようだ。

途中立ち寄った喫煙所でまた大物を見かけた。

通称「ヒロ45JP」。

かつては同業者であるブローカーから神と崇められた男。今は足を洗ったと聞いていたが、まだこの界隈に出入りしてるのか?これも上に報告しておいた方が良さそうだ。

だが、いずれの者も物騒な物をひけらかしたりはしない。小競り合いもなく、突然暴れ出すような輩もいない。終始にこやかに会話を繰り返すだけだ。

一体、これは何の会合なんだ?


結局、会は三時間程でお開きとなった。その後、二次会のカラオケボックス、三次会の居酒屋まで潜入を継続したが、至って普通の飲み会と変わらない。

ヤツらブローカーの尻尾も掴めずに、落胆した表情を浮かべつつその場を後にした俺は、今回のただ唯一の成果とも言える一片の紙切れを見つめるしかなかった。

ここに、現場で入手したブローカーのものらしき名刺が一枚ある。

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今回の会合は、全国に散らばるブローカー同士が繋がりを持つための、大きな犯罪のほんの序章に過ぎないものだったようだ。ヤツらは互いの素姓を隠しつつ、ただ複数の連絡手段を交換して、今後の闇の商売に繋げようとしているのだろう。

そんな俺の勘が当たるか当たらないか、それはこの紙切れを調べ上げてみればわかるはずだ。

この紙切れ=ブローカー名刺は、大して名の知れていない小物であるが、やたら目立つ革のジャケットを着て、勢力的に会場内を歩き回り目立っていたヤツのものだ。

あまり頭も育ちも良さそうには見えなかった。かなり泥酔していたため、こちらの素姓を明かす事もなく、比較的簡単に入手した代物だ。

ご丁寧に「Powered by Blogger」と書いてある。綴りは間違っているようであるが、ブローカーである事を自ら明かしているようなものだ。やはり知能指数は低い。リスク管理が杜撰だという事だ。

TwitterのIDらしきものもあるが、タイムライン上では物騒な会話をするはずもない。どちらかというと下品な会話が目立つ。恐らくヤツらはダイレクトメッセージで取り引きに纏わる会話を裏で繰り広げているに違いない。

残る唯一の手掛かりは、「http://〜」で始まるサイトにアクセスするのみだ。恐らくは、ヤツらブローカーの扱う商品を掲載したサイトのURLに違いない。

パスワードが掛けられていたら、そこでこの件は俺の手を離れる事になる。情報部の連中の助けを得なければ謎を解き明かす事ができなくなるからだ。

一縷の望みを心に秘めつつ、俺は手元にあるスマートフォンにURLを間違えないように一文字ずつ慎重に打ち込んだ。

真☆煩悩の赴くままに
な、何なんだ、これは......。

こ、これは何とくだらない。

何処を見ても取るに足らない、どうでもいい内容ばかり。武器や取引の情報など、ヤツらの商流に繋がるヒントすら何処にも見当たらない?

何てこったっ!

今回の潜入捜査は、とんだ無駄足だったってことなのかっ?!

......はっ?!

そういえば、この感覚、たしか以前にも何処かで......。

252:【レポート】潜入!ブロガー限定イベント「必ず結果が出るブログ運営テクニック100」発売記念オフ会(ハードボイルド風)の巻 #プロブロガー - 煩悩の赴くままに
俺はまた同じ過ちを繰り返してしまったというのか...。


......はい、ということで、毎度どうも、さいたまの孤高のωブロガーこと、ひろさの(@Hirosano)です。

いやいや、オープニングにちょっとした小噺をするつもりがヤケに力が入っちゃって、おかげで日曜日の貴重な休息の時間のほとんどを使っちゃいましたよ。

テヘヘッ(*゚ー゚)>

さてさて、そんなワケで、先日ボクもDPUB7に参加してきたんですが......。

えっ?!

時間がない?

それに、もう1万字をはるかに超えてるの?

え、ちょ、ちょっと待って。

それって、これ以上長くなると迷惑ってこと?

そうか......そうなんだ。なんだ残念。

ここからがいいところなのに......。

せっかくDPUB7で繰り広げられたあんな事やこんな事をレポートしようと思ったんですが、それは次回のお披露目となりそうです。

ってなことで、今回はここまでっ!

またお会いしましょう!ごきげんよう!!


【注意】

当然ながら、オープニングの話はフィクションです。 登場する人物・団体は全て架空のもの、当ブログ主宰者の妄想が繰り広げる超スペクタクルロマン(?)です。

万が一該当すると思っていそうな方がいらっしゃるとしたならば、その方々には慎んでお詫び申し上げます。

っていうか、ごめんなさい。

本来であれば、幹事の皆さん、そして参加者の方々に対するお礼などを書くべきところではありますが、今回は長くなりましたので、その辺りは次回キチンと書かせていただく所存です、はい。

っていうか、こんなボクでごめんなさい。

どうか、許してください......。

(おわり)

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