その日は突如訪れた。
2013年2月16日（土）。
その日ボクは、朝からとある葬儀に参列するために埼玉県内のとある教会を訪ねていた。
葬儀が滞りなく終了し、送り出したのは昼の12時を回った頃。
JRの最寄り駅近くまで戻り、一緒に参列していた部下と昼食を済ませてから別れ、自宅に戻るために大宮方面へと向かう京浜東北線に乗車した時だった。
iPhoneを取り出し起ち上げると、Twitterのリプライが来ていることに気がついた。
@hirosano posterous正式終了のお知らせ〜。ご存知ですか？？
— じゅんろぐ ✅さん (@jun1log) 2013年2月16日それは、あの時と同じで、あまりにも突然の宣告だった。
1年前の出来事を振り返る。
2012年3月13日（火）。今から約1年前だ。
それまで1年以上続けてきたボクのブログ『煩悩の赴くままに』で利用していた無料ミニブログサービス「Posterous」がTwitterに買収されたというニュースを目にした。
Posterous is Joining the Flock at Twitter
Big news: Posterous has been acquired by Twitter!
The opportunities in front of Twitter are exciting, and we couldn’t be happier about bringing our team’s expertise to a product that reaches hundreds of millions of users around the globe. Plus, the people at Twitter are genuinely nice folks who share our vision for making sharing simpler.
Posterous Spaces will remain up and running without disruption. We’ll give users ample notice if we make any changes to the service. For users who would like to back up their content or move to another service, we’ll share clear instructions for doing so in the coming weeks.
You can find more information answers to other questions you may have here.
Finally, we’d like to offer thanks to all of our users, especially those who have been with Posterous since day one. The last four years have been an amazing journey. Your encouragement, praise and criticism have made us better. Thanks for that. We look forward to building great things for you over at Twitter.
【注】いずれ消えるはずなので、Posterousのブログからそのまま原文を引用しました。
買収されたという事実だけで、その他に関する情報はあまり明らかにはされていない。
ただ「サービスは継続するが、ユーザーには数週間以内に何らかの連絡をする」ということだった。
「何らか」が示すものはいったい何なのか？
いろいろな憶測が飛び交った。
当時、楽観的な見方をしていた者たちは、
『きっとTwitterが140文字では収まり切らない長い文章を書くことができる新しいサービスを始めてTumblrに対抗するに違いない。』という持論を展開していた。
一方で、何事に対しても悲観的な者たちは、
『恐らく数週間以内にPosterousはサービスを終了させるだろう。今までのコンテンツを他のサービスに移行するためのツールの開発に躍起になっているはずだ。』と、はなから諦めムードだ。
そんな状況下においても、ボクは気にせず、ただ呑気にブログの原稿を書き続けていた。
このニュースが世間に流れた直後、Twitterに買収されたPosterousと、Facebookに買収されたInstagramを比較したブログ記事を何度か書いている。
それらをいま読み返してみると、当初はPosterousがなくなるなんてことは想定しておらず、ただひたすらPosterousの存続を願っている様子が伺えた。
たぶん当時は、いずれPosterousから届くであろう何らかの連絡ってヤツがどういう内容であれ、努めて冷静でいようと腹を括っていたに違いない。
PosterousがTwitterに買収されるというニュースが発表されて数週間が経ち、やがて数ヶ月が経過する。
それでもPosterousからは何の連絡も情報提示もない。
Posterousのコンソール画面をたびたび訪れてみるのだが、そこにあるのは3月13日に掲示された、Twitterに買収されて浮かれているように見える例の告知だけだった。
サービス停止までにやらなければならないこと。
1年前のことを思い出していたボクは、フッと我に返った。
連絡を下さった@jun1logさんには、Posterousでブログを書いている時からいろいろと世話になっている。
お互いかつてはPosterousユーザーであった縁もあってか、たぶんこのニュースを知らないだろうボクにわざわざ連絡を下さったのだ。
本当にありがたい。
ボク自身はこのニュースは全くノーマークであった旨を返信し、RSSをチェックすると、この件に関して書かれた@jun1logさんのブログがあることに気づく。
Posterousバックアップはサービス終了までにやっておきたい | まめとら.com
Posterousのサービスが停止するまでにやっておくべきことが書かれている。非常にありがたい。
中に、発表元となるPosterousのブログへのリンクがあったので、そちらも読んでみる。
Posterous will turn off on April 30
Posterous launched in 2008. Our mission was to make it easier to share photos and connect with your social networks. Since joining Twitter almost one year ago, we’ve been able to continue that journey, building features to help you discover and share what’s happening in the world – on an even larger scale.
On April 30th, we will turn off posterous.com and our mobile apps in order to focus 100% of our efforts on Twitter. This means that as of April 30, Posterous Spaces will no longer be available either to view or to edit.
Right now and over the next couple months until April 30th, you can download all of your Posterous Spaces including your photos, videos, and documents.
Here are the steps:
- Go to http://posterous.com/#backup.
- Click to request a backup of your Space by clicking “Request Backup” next to your Space name.
- When your backup is ready, you'll receive an email.
- Return to http://posterous.com/#backup to download a .zip file.
If you want to move your site to another service, WordPress and Squarespace offer importers that can move all of your content over to either service. Just remember: you need to back up your Spaces by April 30.
We’d like to thank the millions of Posterous users who have supported us on our incredible journey. We hope to provide you with as easy a transition as possible, and look forward to seeing you on Twitter. Thank you.
Sachin Agarwal
Founder and CEO
【注】こちらもいずれ消えるはずなので、Posterousのブログからそのまま原文を引用しました。
確認できた事実は以下の通り。
- Posterousのサービスは2013年4月30日をもって停止する。
- これまで書き溜めたコンテンツは、申し込めばZipファイルにてバックアップを作成してくれる。
先ほどの@jun1logさんのブログに戻ると、バックアップの仕方まで説明して下さっている。
ボクはその場で、iPhoneのSafariでは見づらいPosterousのPC用ページからバックアップサービスの申込みをしておいた。
そして、お礼がてら、更にリプライを返しておいた。
これですね！申し込まなきゃ！！【Share】 Posterousバックアップはサービス終了までにやっておきたい ： mame-tora.com/2013/02/1202 ：まめとら.com
— さのっち（ひろさの）さん (@Hirosano) 2013年2月16日さて、これからどうする？
既にブログの拠点をBloggerに移転しているため、Posteousが停止しても大きな問題はないのであるが、せっかく書き溜めた401遍のボクが紡ぎだした言葉の羅列たちが何の跡形もなく消えてしまうのは哀しい。かつてPosterousでブログを書いていた頃から、原稿のバックアップのようなものは個人的に保管してある。
ブログを始めた当初は、Textforceで書いた原稿をメールにコピー＆ペーストした上でPosterousに送信することでブログ更新をしていた。
テキスト編集 Textforce for Dropbox 2.10.2（￥350）
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
販売元: Yutaka Yagiura - Yutaka Yagiura（サイズ: 2 MB）
Gmailの送信履歴にかつての原稿は残っているし、Textforceと連携しているDropboxにも原稿そのものが残っているはずだ。
その後、日本語入力機能に優れるAtokpadを使うようになった時は、Evernote連携機能を利用し原稿そのものを保管しつつ、Atokpadから直接メールを送っていた。
ATOK Pad 4.6.2（￥1,200）
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
販売元: JUSTSYSTEMS CORPORATION - JustSystems Corporation（サイズ: 28 MB）
送信メールアドレスはやはりGmailのものなので、送信履歴にも残っているはずだ。
そしてPosterousでブログをやっていた終盤、メール送信による方法ではブログ更新が著しく遅延するという現象に悩まされ、これを回避するために直接Posterousと連携するNote&Shareを使ってブログを更新していた。
Note & Share - 豊富な連携, 高速起動, 多機能メモアプリ 1.7.2（￥350）
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: Ignition Soft Limited - Ignition Soft Limited（サイズ: 24.4 MB）
このアプリはDropboxともEvernoteとも連携が取れるようになっているので、そのどちらにも原稿そのものが保存できるようにしてあった。
要するに、時を経て使うアプリに変化はあったものの、どの時点においても下書きの原稿は何らかの形でボクの手元にも残っているということだ。
だが、それをかき集める手間がかなりかかるはずだ。
それに、Posterousに更新した原稿そのものをPCのブラウザ経由にて修正している場合には、Dropboxにある原稿もEvernoteにある原稿もGmailの送信履歴にある原稿も所詮は校正前の下書き程度のものになってしまう。
そう考えると、やはり今回、サービス停止に当たって開始されたバックアップ提供サービスを使わない手はないということだ。
この時点では、Zipファイルにしてダウンロードできるようになるということ以外は不明だった。どのようなファイル形式で提供されるのかが判らないし、また、そのZipファイルがいつ頃ダウンロードできるようになるのかも不明だ。
ただPosterous側で作成してくれるバックアップZipファイルが出来上がるのを待つだけなのが辛い。
とにかく、出来上がったバックアップがどのようなものであれ、それをどのような形で残すのかを考えておかなければならないことだけは確かだ。
（つづく）
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