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2017年3月16日木曜日

1113:【戯れ言】さらば東京!〜3年2ヶ月とは限らない過酷なひとり旅のはじまり〜の巻

毎度どうも、さいたまの孤高のサラリーマンこと、ひろ☆さの(@Hirosano)です。

なんと、サボりにサボって昨年末以来のご無沙汰です。大変申し訳ございません。

「もうすぐは〜るですねぇ〜」って頃合いなのに、まさかの今年ブログ更新1発目......。

いやいやいや、何をやってたんだか。我ながら情けないったらありゃしない。

サボっている間に歳もさらに重ねちまいまして、齢47のアラフィフ街道まっしぐらといった感じでございます、どうも。

っつーことで、いかんせんこういった文章を書くことすら久々なモンですから、今回は雑記のような形で、久々に近況なんぞをご報告できればと。

そんな感じで、ゆるゆるとお送りしたいと思います。


春は別れの季節ですね

はい、ということで、いつもながらタイトルでその中身がほぼ想像できるという親切設計でお送りしております当ブログですが、いきなり核心の話に行きたいと思います。ついに、その時はやって来てしまったのです。

つい先日のことなんですがね、上司に呼び出されまして。

普段から会議だー打ち合わせだーと席にいないはずの部長が、私めなんぞのために手ぐすね引いて待ち伏せてやがったと思うと、こちとら仕事サボっておちおちタバコの一つも吸えやしねぇーってなもんでして......。

まぁ部長が課長であるボクに話しかけるなんてのは、別に珍しくも何ともない日常茶飯事な出来事っていやぁそうなんです。日にひと箱は消費している明治アーモンドチョコレートの一粒でもおねだりに、よくボクの席まで来てますから。

が、その日はちぃーとばかし様子が違いましてね。

「やぁやぁ、待ってたよ。いったいどこで油を売っていたんだい。」

あれ、なんかお待たせしちまったみたいですね。どうもすいやせん。

ところで部長、今日は何用でございやすか。まだ午前中なんで明治アーモンドチョコもたんまりと残ってますんで、いつもより多めに2〜3粒まとめておワケ致しましょうか?

「いやいや、いつもすまないね。でも今日はチョコをせびりに来たワケじゃあないんだ。いや、ミルク成分たっぷりの飴玉でもない。相変わらずお前さんの机はお菓子だらけだねぇ。いや、それはイイ。そうじゃなくて、ちょいとばかり重要なお話があって、それで寄らせてもらったんだよ。いま、時間はあるかい?」

おやおや、ちぃーとばかり雲行きが怪しくなって来やしたぜ。


何か思い当たるフシはあるか?

普段からこんな調子でどっちかがボケたらどっちかがノリ突っ込みをする間柄の2人(どんだけ良好な上下関係なんだ)なのに、どうも様子がおかしい。

しかも重要な話と来たもんだ。

時はもうすぐ3月になろうかっていう2月の下旬。大々的に行われる春の民族大移動、4月の定期人事異動の内示がまさに行われんとしているこの時期に、直属の上司からお呼びが掛かるってことは、まさにボクにとっての重要な話に違いない。

いやでも、4月1日付の人事異動の公示が3月16日で、転居を伴う転勤の場合はその公示から遡ること約1ヶ月前辺り、つまり2月の中旬には内示されてるのがこれまでの常道。

実際に隣の部署の課長でボクの1つ下の後輩なんかは、先週末に関西への異動を内示されたって落ち込んでたし、それを今週の頭に聴いたボクは、すぐさま「あらら、ってこたぁー何かい、おいらの転勤は今回もまたナシなのかい?」って思ってたところ。

珍しく呼び出しを喰らうってぇーと他に何がるんだっけかと、己の過去の所業をザザーッと振り返ってみたものの、部長がお怒りになるような大失態に思い当たるフシはなし。ボクというキャラについては長い付き合いの部長は十二分にもご承知のはずなので、多少のヤンチャなことじゃ怒られるハズもないんだがなぁ。

......あ、この間他部署の執行役員の理不尽なやり方にブチ切れて喧嘩を売っちまったっつーアレか?

いやいや、アレがお耳に届いたからと言って、ボクを呼び出してお小言の一つも垂れてやろうなんてぇ不粋な上司じゃありますまい。むしろ「お前さん、よくやった!前々から私もあの野郎は気に入らなかったんだよ。」ってーなお褒めの言葉を授かる方がより現実的ってなモンだ。

あの理想論ばかり振りかざして現場を混乱に貶めているアホには誰かが釘を刺さにゃあならんって、はずれクジと判っていながら特攻隊長よろしく鉄砲玉役を買って出ちまったんだが、アレはアレで万事よい方向に話が進んでるみたいだし、まるで何事もなかったかのように平穏な日常が訪れているから、この話でお咎めを喰らうって様子でもなさそうだよなぁ。

その他に何か部長にお叱りを受けるようなこと、まったく思い浮かびやしない。席に部長が来て直接呼び出すようなことは、ここ最近じゃ課長職拝命の内示を受けた4年半前以来だから、どうも勝手がわかりゃしねえ。あれ、その時の部長は、未だにボクの席に飴玉をせびりに来る専務だったっけか?うーん、まぁいいか。

ほらほら、席の周りに当然のように存在するボクのかわいい部下たちも、一心不乱にモニターとにらめっこしながら、キーボードをカチャカチャ、マウスをシュッシュッと、忙しなく仕事をしているフリをしちゃいるみたいだが、聞き耳立ててこちらの様子をシッカリと窺っていやがりますぜ。

きっとこいつらは、さっきの「ボク関して重要な話がある」っていう部長の発言を聞いて緊張していやがるな。そんなコイツらが作り出した空気だっつーこたぁ容易に想像できるってなモンだ。奴ら、絶対に頭の中はパニックになってるに違いねえ。くくくっ。


さて、お話ってのは何でしょう?

そんなうだつの上がらない希望的観測(もしくは想像的絶望、しかしてその実態は単なる妄想)を独りよがりに味わっていたって、事は一歩も先に進まないのがこれまた事実。

上司である部長の呼び出しに素直に従い、普段は偉い人たちとお話しする時にしか使わない応接室へと仲良しこよしで同行することになりました。

ドアを入って奥の2人がけのソファーへ着席するように促されたので、そこに浅く腰掛け、やや前のめり気味に話を聴く体勢へと移行します。

テーブルを挟んで向かい側にいる部長は、ドッシリ深々とソファーに腰掛けて、ふーっとひと息入れまして、さっそく本題に入ろうってな体勢でございます。

「えーっと、お前さんは今年で入社何年目だったっけか?」

えーちょいとばかし待っておくんなまし。ひぃーふぅーみぃーよー......おっと、部長、今年の3月末でちょうど四半世紀、入社して丸25年が経つことになりますね。いやいや、何か記念すべき節目がいよいよ訪れるのかってな感慨を覚えたりもしちゃったりなんかしたりして......。そうか、こいつはお祝いの一つでもしなくちゃなんねーっていうお話ですかね?

「はいはい、25年ね。お前さんは一つの質問に対する回答が長いから困りモンだね。どうして次から次へと発想が飛び回るんだい。んで、ここ本社に来て今の仕事に就いてからはどんだけ経ってるんだっけ?」

まぁーあの頃の私はまだ世の中の水も甘いも解っちゃいない利かん坊の青二才でいやした。当時は子会社に出向していたところで、あの時分に本社の課長だった若かりし頃の部長に呼び戻されて、とある難解なミッションを与えられると共にこちらに呼び戻していただいたのが......2005年の春になります。なので足掛け12年ってところですかねぇ。

「そうか、恐らくその間に何人も上司が変わったろう。一度はお前さんにも私の直属の部下として仕えてもらったことがあったっけなぁ。」

へい、あれは確かまだ部長が次長だった頃で、前任の課長がいなくなってウチの課長職を兼務していただいてた時でしたねぇ。てっきりあたしに課長をやらせていただけるんだと思っていたんですが、それにはあたしもまだまだ若かったから土台無理な話だったんだと記憶しておりやす。

「いやいや、あの時は私は名ばかりの課長でハンコを突くだけの上司だったのに、よく盛り立ててくれたよ。お前さんが課長のやるべき仕事を私の代わりにきっちりと務めてくれたんじゃないか。だから今こうしてお前さんが課長としている。それこそ感慨深い話でもあるよなぁ。」

ははは、たまには思い出話も楽しくてよーござんすね。

ところで、なんか死ぬワケでもないのに走馬灯のように思い出がグルグルしちまってるんすけど、まさかあたし、この後死ぬことになっちまうんですかね?

「おぉ、そうだそうだ。お前さんに重要な話があるんだった、いやいや、こりゃすまん。」

いや、こちらこそすいやせん。なんせせっかちな性分なもんですから、慣れないフカフカのソファーに座ってお話しをしていると、尻っぺたのあたりが何だかムズムズと痒くなって来ちまいやしてねぇ。

んで、重要な話ってのは何でしょう?

「いや、他でもない。かねてからのお前さんの希望を叶えてやろうってな話、朗報だよ。本当、随分と待たせてしまったのは非常に申し訳ないんだが、ようやくお前さんの夢を叶えてやれるってな話だ。」

あっしの夢?

あれですかい、仕事なんかしなくとも湯水の如く金がジャブジャブ入って来て、一日中ガンプラ三昧の生活のことですかね?

「そんなワケないだろう。」

ははは、そりゃそうでございやすね。

んで、あっしの夢?

はて、夢って言われても、思い当たるフシが......。

「お前さん、ここ数年の私との面談で散々言ってたじゃないか。せっかくメーカーに就職したんだから、いつかは工場に勤務して現場の近くで仕事がしたいってさ。言ってたよね?」

......お、おぉ、そういやぁそんな事を言ってたような気がしないでもありやせんが、あっしにとっちゃぁ取るに足らん話でして、「夢」なんていうそんな大それた話じゃ......

「......。」

い、いや、夢でした。まさに願ったり叶ったりの夢、毎日寝床でうなされるくらい欲していた夢でございやすよ、はい。

「だろう。そんなお前さんの夢を私が部長の間に叶えてやろうってんだから、感謝こそすれ、とんだお門違いもいいところだとか、そんなバチ当たりなことは絶対に思うんじゃないよ。その有難いお話しをこれから聴かせてやろーってんだから、耳の穴かっぽじって心してお聴きなさい。」

は、ははーっ!

「えぇ、お前さんには、この4月からとある工場で働いてもらうことになった。」

......は、はい。それは先刻承知でございやす。

でも、工場で働くってのは、アレですか、ベルトコンベアーの前を製品が流れていって、作業を分担しながらとある製品を組み立てるって言うアレのことですよねぇ。

ってことは事務職から現場作業員に職種転換?

ホワイトカラーからブルーカラー?

ひょっとして降格?

もしかしたらリストラ?

「ったく、お前さんはせっかちだねぇ。いいから最後までちゃんと人の話をお聞きなさいな。」

へ、へい。

「お前さんがかねてから希望してるって言ってたから、その希望を叶えてやろうってな話なんだよ。しかもね、せっかくだから、狭ぁーい範囲を対象とした仕事じゃなくて、広範囲に渡る重要な仕事を任せてやろうってな話だよ。言わばね、こいつは私の親心。獅子は我が子を千尋の谷に落とすって言うからね。お前さんにももう一踏ん張り頑張って貰ってだねぇ......。」

谷に落とす......

ってことは、やっぱり降格なんじゃないすかー!

うわーん!!

「いや、違うよ、違う違う。そいつは言葉のあやってヤツでね。決して悪いようにはしないってな話だよ。」

ほ、ほんとに?

「あぁー、本当だよ。もうハッキリさせよう。管理部門の管理職だよ。お前さんの肩に全てが掛かるってな重要なポジションだ。事業的にも人員的にも小規模な田舎の工場なんだがね、だからと言ってバカにしちゃあいけないよ。さっきも言ったように、お前さんのやる仕事は山のようにあるんだ。各部門長との調整役や従業員たちの世話役的なものから地元や周辺企業との付き合いまで、お前さんのような口八丁手八丁でシレーっと世間を渡り歩くようなヤツにはピッタリな、ありとあらゆる仕事がお前さんを待っているんだよ。」

うっ......そんなに重要な仕事をあっしに任せていただけるんですか?

「あぁ、お前さんは本社の在籍が飛び抜けて長い。ハッキリ言って長すぎる。こいつは異常だ。いや、決してお前さんのせいじゃない。こいつは会社の責任だ。お前さんは、入社して25年のうち通算で20年以上、ここ本社でかなり特殊な分野の業務をして来ただろう?その道の第一人者になって久しい。周囲もそれを認めているとおり、無くてなならない存在になっちまったんだ。もちろん、お前さんの右に出る者がないのはこちらとしても百も承知なんだが、そいつにいつまでも甘えていちゃあお前さんの会社人生が台無しになっちまう。そうならないために遅すぎるくらいの手を打とうってのが今回の異動の話になるんだよ。」

ありがたい......うぅ、部長、ありがとうございやす。喜んでこの異動の内示をお受け致しやすっ!

「いやいや、あんたはサラリーマンなんだから、最初っから拒否権なんかないんだけどね。承るも何もこれは決まったことなんだから、さっさと行って来なさい。」

そうだったのねぇぇぇぇぇっ!

「ところでお前さんは確か家はすでに買っちまってるよねぇ。」

へい、狭いながらも家族4人が仲良く住めるマンションを十数年前に購入しておりやす。もちろんローンがたんまりと残っておりやすが。

「お子さんは、お幾つになるんだい?」

上が中学生、下が小学校のもうすぐ高学年になろうってな感じです。

「そうかい。だったらすっかり地元の友達との付き合いやら何やらが出来ちまってて、今度の転勤で家族を一緒に連れて行くってのは難しそうだねぇ。」

そうでやすね。カミさんなんかもすっかり母親同士のコミュニティに入り込んじまってて、仮に私が転勤になったら、なーんて話をしてみても「さよならー」とか「いってらっしゃーい、ひとりで」なんて薄情なことを抜かしやがるんですよ。

「サラリーマンなんてぇのは寂しいもんだねぇ。ってことは単身赴任かい?」

はいっ!そうなりますかねー。いやぁー仕方ないなぁ♡

「おいおい、お前さん、何だか嬉しそうだね。」

いやいや、そんなことは。単身赴任のお告げといえば、その昔から突然忍び寄る怪しい係長が悪魔のプレゼントとして3年2ヶ月の過酷なひとり旅ってのが定番でしてね。そんな部長、嬉しそうだなんて人聞きの悪い。カミさんの監視下を離れて自由を謳歌しようなんてこたぁーこれっぽっちも......

「いや、会社としてもなるべく単身赴任させないような配慮はしているつもりなんだが、今度の異動ばかりはそうもいってらんなくてね。しかも3年2ヶ月って期限を区切るワケにもいかない先の見えない話だし。まぁでも、お前さんはとっくの昔から管理職で非組合員だから労働組合にもうるさく言われなくて済むしねぇ、仕方ないのかもねぇ。」

えっ?!

「だーかーらー、片道切符になるか、この後にいろんな拠点を転々とする地方巡業が待ってるのかは私にもわからないって言ってんだよ。」

えっ?!

「お前さんはすでに20数年間も本社にいたんだろ?だったらこの先また本社に勤務するってな珍しいパターンはそうそうなさそうな雰囲気だしねぇ。ま、これもサラリーマンの宿命と思って、田舎の工場で頑張ってきなさいよ。

うそーーーーーんっ!

ん?

ところで、なんでそんな軽妙な口調で話してるのかだって?

そいつぁーたぶん、ごくごく最近、昭和元禄落語心中の全10巻を一気に読み切ったからに違いありやせんぜ、ダンナ。

もうアフェリエイトのリンクを貼るのも面倒なんで、やめとこうかなぁーって思ったんですけど、一応お約束なんで貼っておきますね。

それにしてもこのお話、面白いっすね。寝る間も惜しんで、一気に読んじゃいました。今度はAmazonプライムの権利を行使してアニメも観なくちゃってなことを考えたりもしています。へへへ。

まぁ実際の会話はこんな軽々しいやり取りじゃーなかったんですがね。内容的にも付け足しがかなり多いし......。

ま、今回はフィクションとノンフィクションのハーフ&ハーフみたいな感じですよ。


はい、ということで、オチたかどうか怪しい終わり方でしたが、この春の人事異動にて、長らく務めた東京丸の内のオフィス街ともお別れとなりました。

だからさらば東京!なんですねー、埼玉県民のクセして。

しばらくのお別れ?

それとも今生の別れ?

うーん、それはボクに判るはずなく、ホントにこれからどうなるのか判りませんが、定年退職する10数年後にはまた自宅に戻れることだけは確かなようです......。

まぁ、先のことは誰にもわからないので、またひょっこりみなさんの目の前に現れるかも知れませんしね。とりあえず今は、新しい土地での新しい仕事に少しでも早く慣れるよう、これから益々精進したいと思います。

都会から離れて地方に引っ込むことになるので、個人的には、東京で本当に消耗していたのか?地方では本当に消耗しないのか?をリアルな現場で試してみたいと思ってます。

いや、別に高知に行くワケじゃあないんですけどね。どこに行くとか、その辺りの話はいずれまたっつーことで。

通勤時間帯に書いていたこのブログの存続も危ぶまれます。っつっても、最近じゃ全然更新してないブログなので、誰も期待はしちゃいないでしょうし、また気が向いたら書くと思いますんで。

そういうことで、東京や埼玉で遊んでくれた皆さん、これまでありがとうございました。

残念ながら3月末までの夜は、すでに各方面から企画いただいた送別会ですべて埋まっておりますので、皆さんにお会いしてお別れを言う機会すらありません。ごめんなさい。

まぁでも、またどこかでお会いすることもあるでしょうから、その辺はお互いお気楽に考えておきましょうや。

それじゃーまずは、気ままな田舎での単身赴任を楽しんで参りやす!

ってなことで、今回はここまでっ!

(おわり)

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